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第6段階 航空宅配便ゲーム(その1)

■1 ここでついに前パスを導入し、ルールの基礎が完成します。ここでも、クォーターバックは1回交代でやります。指導者は、作戦会議内で、クォーターバックの順番の人に、次の順序で選択させながら作戦を決定させます。

 ボールの投げ方・キャッチの仕方はこちら
● 第1の選択  次の3つの中から一つ選ぶ。
 @ 自分が走る作戦をしますか
 A 前パス作戦をしますか
 B 前パスを投げると見せかけて走る作戦をしますか(「ドロー」と言います)

@を選んだら、地上宅配便ゲームでの4つの中から一つ選択する(つまり、投げるのが苦手な人、走るほうが好きな人は、走る作戦でも良いということです)。

Bを選んだら、一度パスを投げる「まね」をしてから走るように指導する。その他のプレーヤーは、「前パス作戦」と相手に思わせる動きをする。

■前パスを投げると見せかけて走る作戦(ドロー)

Aを選んだら、「第2の選択」へ進みます。
● 第2の選択 
 @ 誰に投げますか
 A どこでキャッチしてもらいますか。自分の遠投力を考慮して、@エンドゾーン右、Aエンドゾーン左、Bエンドゾーン手前右、Cエンドゾーン手前左の、4つのゾーンの中から一つ選ばせる。

 パスキャッチするレシーバーのスタート位置と、その他の人の役割(おとりのレシーバー役か、クォーターバックが投げる前にフラッグが取られるのを守る役か)とスタート位置は、指導者が決める。
 
■ 前パス作戦の例

Aが、エンドゾーン左でキャッチする作戦。Aは最初右にいてプレーが開始されたらエンドゾーン左へ走る。センターはエンドゾーン右へ「おとり役」。センターの横の2人は、クォーターバックが投げる前にフラッグが取られるのを守る役。Aに前パスを投げるとインターセプトさせると思ったら、おとり役のセンターに投げても良いし自分で走っても良い。

■2 守備は、攻撃側のパス作戦が多分うまくいかないので、攻守境界線を越えてクォーターバックのフラッグを取りにいくことを禁止します。自分で「前パス」と思ったら下がりインターセプト(相手の前パスを空中で横取りすること)を狙い、「走る作戦」と思ったらクォーターバックを追いかける。パスをキャッチされたら、そのプレーヤーを全員で追いかける。
■3 タッチダウンやインターセプトがあった場合は攻撃回数が残っていても、公式規則では攻守交代となりますが、今回も、まだ攻撃回数が残っている場合、つまりクォーターバックをやっていない人が残っている場合は、自分たちのエンドゾーンに戻って、残った攻撃をします。こうして全員クォーターバックをやったら攻守交代して、後攻チームが同様に攻めてゲーム終了。より多くタッチダウンした方の勝ちとします。
● 指導内容〜パスの投げ方、キャッチの仕方。前パスを投げるプレーヤーのフラッグが取られないように守るスクリーンブロック。

第6段階 航空宅配便ゲーム(その2)

■1 航空宅配便ゲーム(その1)では、クォーターバックは、1回交代でしたが、それだと物足りません。次は、同じ人が4回続けてクォーターバックをやることにします。
■2 一回一回全ての攻撃で、長いバスを投げてタッチダウンを狙い失敗して、無得点に終わる(攻撃権を無駄に使う)のではなく(そういうことも必要な経験ですが)、最初にもらった、「連続した攻撃権」を有効に使って、最後の攻撃でタッチダウンを目指すことが、フットボール独特の「攻め方」であることを説明します。
■3 守備は、一人だけ突っ込んで、クォーターバックのフラッグを取りに行く役を許します(これも1回交代で全員体験する)。その他は、自分で「前パス」と思ったら下がりインターセプトを狙い、「走る作戦」と思ったらクォーターバックを追いかける。パスをキャッチされたら全員で追いかけます。

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■ ご注意ください (初心者指導における公式規則のアレンジについて) 

  中学生以上の「公式規則」では、クォーターバックが走ることと、スクリーンブロックは反則になります。攻撃回数は、小中学生は4回、高校生以上は3回となっています。クォーターバックは交代でやる必要はありません(同じ人が続けてやっても構いません)。
 さらに、インターセプトがあった場合は、本文でも少し触れていますが、その時点で攻守交代です。インターセプトした選手はタッチダウン目指して走ることができます。途中でフラッグを取られたりした場合は、その地点に一番近いスタートライン上から、それまで守備側だったほうが攻撃、つまり攻守交代となります(どの公式規則もこれに同じ)。
 これらのことは、老若男女を問わず、初心者がフラッグフットボールの基礎を学ぶ上で大変重要なことなので、あえて公式規則とは違うルールを取り上げています。
 もし、大会等に出場することを想定して短期間でしか指導できない場合は、ご注意ください。このルールによる指導は、フラッグフットボールの基礎を習得する上での「一通過点」と思って下さい。結果的に「遠回り」になるのではないかと、思われるかもしれませんが、このルールで学ぶべきことに、多くの時間を要するわけではありません。
 なぜ、初心者に対して公式規則通りに教えないかと言うと、公式規則は、ある程度の運動能力をもった人たちがある程度練習してから楽しめるルールとして作られているからです。したがって、初心者が、初めから、しかも極々短時間でフラッグフットボールを理解したり楽しんだりするためには、公式規則にアレンジを加える必要があるのです。
 特に、学校の授業などでフラッグフットボールを実践する場合は、、限られた授業時間の中で、全ての児童生徒にフラッグフットボールの基礎を習得させるためには、公式規則のアレンジ(教材化)が必要です。
 具体的に、「クォーターバックが走れる・走れない」というルールについてご説明します。中学生以上でも、初心者が「クォーターバックは走れない」ルール、つまり前パス作戦しか出来ないルールで行うと、初心者が前パス作戦を短時間で成功させることは大変難しく、パス失敗、パス失敗、パス失敗、パス失敗、攻守交代、パス失敗、パス失敗、パス失敗、パス失敗、攻守交代・・・という、つまらないゲーム展開になってしまい、「フラッグフットボールはおもしろくない」という感想を持たれてしまうことは、本意ではありません。
 アメリカの「プロ選手」でも、前パス作戦の成功率は、50パーセント行けば平均点、60パーセント近くになれば優秀、というぐらいに、前パス作戦を成功させるのは難しいのです。 
 また、フラッグフットボールと言う競技の元になっているアメリカンフットボールでは、クォーターバックは走れます。
 日本におけるフラッグフットボールの競技の歴史を紐解くと、最初は(1998年4月)、「クォーターバックは走れない」ルールしかありませんでした。しかし、このルールで体験会等を開催していると、上記のようなことが起きて、フラッグフットボールはおもしろくないと思われてしまうことは危惧し、特に小学生ではクォーターバックが走れるルールを取り入れました。また、今でも、連盟主催の指導者講習会「入門講座」や、中学生以上対象初心者体験会では、「クォーターバックは走れる」ルールで体験してもらい、好評を得ています(最後に公式規則の説明はしています)。
 クォーターバックを輪番制にして全員が体験するという「特別ルール」についても、攻撃の時、必ず一度はボールがクォーターバックを経由し、そこから攻撃が展開されるという、他の球技では見られないほど、クォーターバックがフォーメーションプレーの中心的なポジションであるからです。そのようにとても重要な、中枢部的なポジションであるクォーターバックを全員が体験することで、フラッグフットボールの「本質的な部分(楽しさ)」に触れてほしいと考えるからです。
 フラッグフットボールと出合った最初のときに、フラッグフットボールは楽しいと感じてもらうことが、何よりも大切と考えています。 
 このような理由で、「初心者指導法」では、公式規則をアレンジしたルールを、あえて取り上げています。
 体育の授業等でフラッグフットボールを取り上げる場合は、クラスには、体育の得意な人・不得意な人が混在しているし、短い授業時間で練習時間を確保することが難しいので、中学生以上でも「クォーターバックが走れる」ルールや、クォーターバックの輪番制等ここで取り上げたルールで行うことをお勧めいたします。

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